・ロックウール



ロックウールは、耐熱性に優れた高炉スラグ(銑鉄を製造する高炉で溶融された鉄鉱石の鉄以外の成分。天然の岩石に類似した成分を有し、銑鉄1t当たり約290kg生成される)や玄武岩、その他の天然岩石などを主原料として、キュポラや電気炉で1,500~1,600℃の高温で溶融する か、または高炉から出たのち、同程度の高温に保温した溶融スラグを炉底から流出させ、遠心力などで吹き飛ばして繊維状にした人造鉱物繊維のことをいいます。

この細い繊維が絡み合ってロックウール中に空気を溜めこむ部屋をつくっています。
この中に溜めこんだ空気は動かないので熱が移動しにくく、断熱性能を確保することができます。

また、この細かい部屋を持つロックウールは、音がロックウールに入ってくると、繊維が振動し、音を熱エネルギーに変換します。
そのため、高い吸音性を持っています。

ロックウールは、加工性に優れ、ボード状、フェルト状、ブランケット状、ベルト状、パイプ状等、色々な形態の製品があります。
これら製品は、プラント・施設等の断熱・保温・耐火材として使用されます。

様々な用途があるロックウールは、住宅用断熱材の中でもグラスウールの次に利用されている断熱材です。
最近は、アスベストの問題から敬遠されることもありますが、1990年以降のロックウール製品には、アスベストは使用されていません。

ちなみに、日本国内のロックウールの市場シェアは23%(1999年)となっています。

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断熱材として使用されるグラスウールの特徴を長所・短所を上げて説明します。

 ○長所
 ・リサイクル可能な資源として「グリーン購入法」断熱指定商品に認定されている
 ・原料が不燃性であるため、耐火性能が保持される
 ・耐水性の高い樹脂バインダーで吸湿対策が施され、安定した性能を維持できる
 ・流通量が多く、比較的安価で購入できる
 ・吸音材としても使用可能
 ・軽く施工性が高い
 ・シロアリの被害を受けにくい
 
 ×短所
 ・脱落などが起きないよう施工に注意する必要がある
 ・吸湿しないような措置が必要
 ・直接触れるとかゆみなどを伴う

良く比較されるグラスウールとの違いを挙げます。
○価格
 グラスウールより少し高い
○性能
 グラスウールより少し高性能
 (詳しくは、「グラスウールの種類と性能」・「ロックウールの種類と性能」を参照)
○はっ水性
 グラスウールより少し高い
○耐火性
 グラスウールより少し高い
○吸音性
 グラスウールより少し高い

価格が高い分、グラスウールと比較して性能が少し高いのが特徴です。

 
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ロックウールは、形状によって性能が変わります。
⇒単位の見方はコチラ

①住宅用ロックウール
 マット(0.038W/m/K)
 フェルト(0.038W/mK)
 ボード(0.036W/mK)
②吹込用ロックウール
 35K(0.051W/mK)
 25K(0.047W/mK)

包装なし、ボード状、防湿シート付きなど様々な種類が存在する。
用途に合わせて選択する。

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ロックウールとアスベストは、人工的に作られた鉱物繊維なのか天然の鉱物繊維なのかの違いです。

アスベストの有害性は、飛散したアスベストを吸引し、それが呼吸器に侵入することによって、ガンを引き起こす原因となることです。
つまり、呼吸器に侵入出来るほど繊維が細かった(太さ:約0.1μm)ことが問題でした。
ロックウールは、アスベストと比較して数十倍~100倍繊維が太く(3~5μm)、体内に侵入しにくくなっています。

建築物においては、
 ・耐火被覆材等として吹き付けアスベストが、
 ・屋根材、壁材、天井材等としてアスベストを含んだセメント等を板状に固めたスレートボード等が
使用されている可能性があります。
 アスベストは、その繊維が空気中に浮遊した状態にあると危険であるといわれています(昭和63年環境庁及び厚生省通知(PDF:21KB))。
 すなわち、露出して吹きつけアスベストが使用されている場合、劣化等によりその繊維が飛散するおそれがありますが、板状に固めたスレートボードや天井裏・壁の内部にある吹付けアスベストからは、通常の使用状態では室内に繊維が飛散する可能性は低いと考えられます。

            

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